内部通報支援業務⑥~内部通報制度の構築支援(5)~
弁護士 小島梓
社内窓口と社外窓口の設置場所として適切な場所についてご説明をしてまいりました。では、結局何を考慮して、設置場所を決めればいいのかということで、今回は、設置場所の選択についてご説明します。
当方では、「内部通報支援業務④~内部通報制度の構築支援(3)~」のコラムでご説明した通り、「③社内と外部の両方に窓口を設ける方法をお勧め」するとご説明しました。あくまで一般的にということになりますが、理由を簡単にご説明します。
事案や通報者の性格によっては,外部の見知らぬ人に話をするより,まずは社内の人に話す方が安心感があり,通報しやすいという場合もあり得ますし、社内にも担当者がいた方が実際に通報があった際の調査対応などもスムーズに進みやすいので社内窓口を設けることは非常に重要と考えます。
ただ、やはり多くの通報者は、社内窓口に通報することで、すぐに上司や役員に報告されて,公知の事実となり,不利益を被ることになるのではないかという懸念を抱きます。内部の問題故に,社内窓口には通報しづらいという漠然とした不安を抱いてしまうのは仕方のないことかと思います。
結果、社内窓口のみですと、内部通報の利用頻度が上がらないという悩みを抱えておられる企業も多いです。
せっかく設ける内部通報制度を実効性のあるものとするためには、通報者が安心して通報できる環境を整えることが大変重要です。そのため、通報窓口については、基本的に社内窓口と社外窓口の両方を設けて、通報者が選択できるようにすることが大切と考えています。
しかし、会社の予算の関係、その他の事情により複数個所に設けることは難しいという事態ももちろんありうると思います。
当方ではこれまでもご説明してきたことを踏まえつつ、お客様の会社それぞれのご事情も考慮しながらお客様の会社の内部通報構築のお手伝いをすることが可能です。
内部通報窓口の担当になってしまって困っているなどのご事情がありましたら、一度ご相談ください。